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UIUXデザインのAI活用について

目次

UIUXデザインでのAI活用は、画面を自動生成することだけではありません。ユーザー調査の整理、アイデアの展開、ワイヤーフレームの初稿、UIコピーの比較案、テスト結果の要約など、検討から改善まで幅広い工程を支援できます。

一方、AIが出した案をそのまま採用しても、事業課題やユーザーの背景を正しく捉えられるとは限りません。成果を左右するのは、「何をAIに任せ、どこを人が判断するか」という役割設計です。本記事では、具体的な活用方法と限界、内製・外注・ハイブリッドの選び方を整理します。

AIは「判断の代行」よりも、判断材料を速く増やすために使う
たたき台の作成や情報整理はAIと相性がよい一方、課題設定、評価基準、ユーザー理解、事業・ブランド上の優先順位、法務・セキュリティ判断には人の関与が欠かせません。

この記事でわかること
  • AIでUI/UXデザインを内製する利点と注意点
  • 専門会社へ外注する場合のメリットと判断軸
  • 内製・外注を組み合わせる考え方

UI/UXデザインでは、AIを使った内製化と専門会社への外注のどちらにも利点と注意点があります。AIはラフ案の作成や作業スピード、コスト面で活用しやすい一方、ユーザー理解や事業課題に沿った判断は人の専門性が重要です。自社の体制や目的に応じて、内製・外注・両者を組み合わせる方法を検討する考え方を整理しています。

UIUXデザインでAIを活用してできること

UI/UXデザインをAIで内製化するメリット

AIを有効に使うには、ツール名から考えるのではなく、UIUXの工程を細かく分けて「どの作業を支援させるか」を決めることが大切です。代表的な活用場面を、AIに任せやすい作業と人が確認すべき点に分けて見ていきます。

工程 AIでできること 人が確認すること
調査・分析 インタビュー記録の要約、発言の分類、仮説となるテーマの抽出 文脈の読み違い、少数意見の欠落、調査対象の偏り
要件・アイデア 課題の論点整理、ユーザーフロー案、機能案、比較観点の洗い出し 事業目的との整合性、実現可能性、優先順位
設計・制作 ワイヤーフレームやUIの初稿、プロトタイプ、コピーの比較案 情報設計、ブランドらしさ、実装条件、アクセシビリティ
検証・改善 テスト観点の作成、フィードバックの整理、改善仮説の候補出し 実ユーザーによる検証、原因の特定、改善施策の採否

ユーザー調査の情報を整理する

インタビューの記録や自由回答が多い場合、AIは要約、発言の分類、共通テーマの抽出を支援できます。たとえば「離脱理由」「利用時の不安」「継続利用のきっかけ」といった観点を指定すると、大量の記録を読み解くための初期整理を短時間で進めやすくなります。

ただし、AIが抽出したテーマは結論ではなく、人が原文へ戻るための索引として扱うのが安全です。発言前後の文脈、声のトーン、少数ながら重要な意見まで確認し、当初の仮説に都合のよい情報だけを拾っていないかを見直します。

要件やアイデアのたたき台を増やす

ターゲット、利用場面、解決したい課題、制約条件を入力すると、ユーザーフロー、必要機能、画面構成、検討すべき例外ケースなどの候補を広げられます。会議の前に複数案を用意したり、抜けている論点を発見したりする用途に向いています。

ここで重要なのは、案の多さと質を混同しないことです。AIはもっともらしい案を作れますが、自社の競争優位や現場の運用負荷まで理解しているわけではありません。採用条件を先に決め、事業性・ユーザー価値・実現可能性の3点から絞り込みます。

ワイヤーフレーム・UI案・プロトタイプの初稿を作る

画面の目的や必要な要素を伝え、ワイヤーフレームやUI案の初稿を作る活用方法もあります。デザインツールによっては、編集可能な初期案の生成、文章の置き換え、プロトタイプへのインタラクション追加などを支援できます。ゼロから手を動かす時間を減らし、比較と改善に時間を使いやすくなる点がメリットです。

ただし、生成された画面がユーザーの行動に合っているとは限りません。見た目の完成度だけで評価せず、情報の優先順位、操作の迷いにくさ、エラー時の導線、既存デザインシステムとの整合性まで確認する必要があります。

利用できるAI機能は、プラン、席種、管理者設定、ベータ提供の状況などによって異なります。導入を決める前に、自社の契約条件と最新の公式仕様を確認してください。

※参照元URL:Figma Learn「Use AI tools in Figma Design」(https://help.figma.com/hc/en-us/articles/23870272542231-Use-AI-tools-in-Figma-Design

UIコピーやデザインの比較案を作る

ボタン文言、エラーメッセージ、オンボーディングの説明文などは、目的や文字数、トーンを指定して比較案を作れます。単に「わかりやすく」と依頼するのではなく、「初めて利用する人に次の操作を伝える」「不安をあおらず、再試行の方法を示す」のように、コピーの役割まで入力するのがポイントです。

配色やレイアウトのバリエーション作成にも活用できますが、案を増やすだけでは改善になりません。どの仮説を検証する案なのかを明記し、比較結果を次の判断に使える状態にします。

ユーザビリティテストと改善を支援する

テストシナリオや質問項目のたたき台、観察メモの分類、複数回のテストで共通する問題の整理にもAIを利用できます。アクセス解析や問い合わせ内容と組み合わせれば、改善仮説を洗い出す補助にもなります。

ただし、AIによる画面評価や疑似ユーザーの反応は、実際のユーザー行動の代わりにはなりません。重要な導線では、対象ユーザーに近い人による操作確認を行い、AIの指摘と実際のつまずきが一致するかを検証します。

※参照元URL:Dovetail Help Center「Dovetail AI overview」(https://docs.dovetail.com/help/dovetail-ai/overview

AIをUIUX実務で活用する5ステップ

AIツールを導入するだけでは、成果は安定しません。入力、生成、評価、記録までをひとつの運用フローとして設計すると、担当者による品質のばらつきや確認漏れを抑えやすくなります。

  1. STEP 01 目的と意思決定を定める

    「画面を作る」ではなく、「初回登録の離脱要因を特定する」「比較に必要なUI案を3案作る」など、AIの出力を何の判断に使うかまで明確にします。

  2. STEP 02 入力情報と利用ルールを整える

    ユーザー像、利用場面、ブランド基準、技術・予算・納期の制約を用意します。個人情報や機密情報を扱う場合は、入力の可否、保存・学習への利用、利用できるサービスを事前に確認します。

  3. STEP 03 複数のたたき台を生成する

    最初の出力を正解とせず、条件や観点を変えて複数案を作ります。各案がどの課題仮説に対応しているかを記録しておくと、比較しやすくなります。

  4. STEP 04 根拠と評価基準で検証する

    ユーザー調査、アクセスデータ、事業要件、デザインガイドラインなどと照合します。影響が大きい箇所は、実ユーザーによるテストや専門家レビューを行います。

  5. STEP 05 判断と改善履歴を残す

    入力条件、採用・不採用の理由、修正内容、検証結果を残します。成功した指示文だけでなく、評価基準や失敗例も共有すると、組織の再現性が高まります。

UIUXデザインでAIだけでは足りないこと

AIの出力品質が高く見えても、最終的な責任までAIに移せるわけではありません。特に次の領域は、専門知識を持つ人が判断・検証する必要があります。

01 課題設定と評価基準

AIは与えられた問いには答えられても、「本当に解くべき課題は何か」を自動で保証できません。KPIだけでなく、ユーザーの成功状態や避けたい不利益を人が定義します。

02 ユーザー文脈の解釈

同じ発言でも、利用環境や経験、感情によって意味は変わります。AIの要約だけで判断せず、原文や観察記録に戻り、必要に応じて追加調査を行います。

03 事業・ブランド上の判断

短期的な数値改善と長期的な信頼が衝突する場合もあります。事業戦略、ブランド、現場運用、開発負荷を踏まえた優先順位は、人が合意形成します。

04 権利・個人情報・安全性

入力データと生成物について、利用規約、著作権、個人情報、機密保持を確認します。公開・実装前に、用途とリスクに応じた法務・セキュリティ確認が必要です。

05 アクセシビリティと品質保証

自動チェックだけで適合や使いやすさを断定することはできません。キーボード操作、読み上げ、認知面などを含め、専門家と当事者による評価を組み合わせます。

AIの利用可否は、データの機密性・誤りが与える影響・修正のしやすさ・社内で評価できる人の有無で判断すると整理しやすくなります。

AI活用の管理では、利用目的や役割分担、リスク、検証方法を一度決めて終わりにせず、運用中も見直すことが重要です。経済産業省・総務省の「AI事業者ガイドライン」では、人間中心、安全性、公平性、プライバシー保護、セキュリティ、透明性、アカウンタビリティなどの共通指針が示されています。

※参照元URL:経済産業省・総務省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ai_shakai_jisso/pdf/20260331_1.pdf

※参照元URL:NIST「AI Risk Management Framework」(https://airc.nist.gov/airmf-resources/airmf/5-sec-core/

※参照元URL:文化庁「AIと著作権に関する考え方について」(https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/94037901_01.pdf

※参照元URL:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(https://www.ppc.go.jp/files/pdf/230602_alert_generative_AI_service.pdf

※参照元URL:W3C WAI「Evaluating Web Accessibility Overview」(https://www.w3.org/WAI/test-evaluate/

AI内製化・外注・ハイブリッドを比較

選択肢は「すべて内製」か「すべて外注」の二択ではありません。業務の頻度、社内の評価能力、案件のリスクに合わせ、AIと専門家の役割を切り分けます。

比較項目 AIを活用した内製 専門会社へ外注 ハイブリッド
向く状況 目的と評価基準が明確で、反復作業が多い 専門人材が不足し、難易度や影響が大きい 社内知識を活かしつつ、重要判断を補強したい
主な強み 速度、試行回数、社内への知見蓄積 専門性、第三者視点、調査・設計の品質管理 速度と専門性を両立しやすい
注意点 評価できる人材と利用ルールが必要 目的共有と社内の意思決定が必要 役割・責任・データ共有範囲の明確化が必要
役割分担例 整理、初稿、比較案、定型的な改善 課題定義、調査設計、重要画面、検証 社内・AIで下準備し、専門家が判断と品質保証

迷う場合は、まず低リスクで修正しやすい作業から内製を試し、影響の大きい判断は専門家と進める方法が現実的です。たとえば、AIで既存データを整理し、社内で課題候補をまとめたうえで、UXリサーチの設計や主要導線の評価を外注する、といった分担が考えられます。

AI内製化・外注、それぞれどんな企業に向いている?

  • TYPE 01 AI内製化が向く企業

    UIUXの目的と評価基準を社内で定められ、デザイナー・開発者・事業担当者が連携できる企業です。繰り返し発生する改善業務が多く、AIの利用ルールとレビュー体制を整えられることも条件になります。

  • TYPE 02 外注が向く企業

    社内にUIUXの専門人材がおらず、課題の切り分けから支援が必要な企業や、短期間で重要なサービスを立ち上げたい企業です。金融・医療・公共性の高い領域など、誤りの影響が大きい案件でも専門家の関与が有効です。

  • TYPE 03 ハイブリッドが向く企業

    事業や顧客の知識は社内にあるものの、調査設計、情報設計、検証、ガバナンスを補強したい企業です。AIと社内チームで速度を上げ、外部の専門家が重要判断と品質を支えます。

外注・コンサルティングを検討するサイン

  • AIで案は増えたが、どれを採用すべきか評価できない
  • ユーザー調査を実施できず、社内の思い込みで判断している
  • 部門ごとに目的やKPIが異なり、意思決定が進まない
  • サービス全体の導線や情報設計から見直す必要がある
  • 個人情報・機密情報・権利・アクセシビリティへの配慮が必要
  • AI活用を含むUIUXの標準プロセスを社内に定着させたい

UIUXデザインを外注するときに伝える情報

外注は「AIではできない部分を丸投げする」ためのものではありません。社内にある事業知識と、外部のUIUX専門性を組み合わせることで効果が高まります。相談前に次の情報を整理しておくと、支援範囲と見積もりの認識を合わせやすくなります。

相談前に整理したい4項目

01

目的と課題

改善したい指標、ユーザーの困りごと、現時点の仮説

02

対象と範囲

対象ユーザー、画面・機能、調査から実装までの依頼範囲

03

AIの利用状況

利用中のツール、社内ルール、入力できるデータ、既存の成果物

04

制約と体制

予算、納期、技術条件、決裁者、社内レビューの担当者

まとめ

UIUXデザインでのAI活用は、調査データの整理、アイデア展開、画面やコピーの初稿、検証結果の要約など、判断に至るまでの作業を速めるのに役立ちます。一方で、課題設定、ユーザー文脈の解釈、事業・ブランド判断、権利や個人情報への配慮、アクセシビリティを含む品質保証は、人が担うべき領域です。

まずは、低リスクで修正しやすい作業からAIを使い、評価基準と確認フローを整えましょう。社内で判断や検証を行う体制が不足している場合は、専門会社への外注やコンサルティングを組み合わせることで、AIの速度を活かしながらUIUXの品質を高めやすくなります。

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目的で選ぶUIUXデザイン会社3選

UIUXデザイン会社といっても、それぞれ得意とすることに違いがあります。
まずはUIUXデザイン会社に依頼して何をしてもらいたいのかを考えた上で、企業を選定すると良いでしょう。
ここではUI/UXデザイン会社に依頼する目的別に、それぞれおすすめの会社を紹介します。

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