ユーザーがサービス・製品をスムーズに使えるよう、設計を行うUI(ユーザーインターフェース)。WEBにおけるUIデザインで重要なことや、UIデザイン設計の基本となる4つのポイントをまとめました。
UI(ユーザーインターフェース)とはUser Interfaceの頭文字を取った言葉で、ユーザーとプロダクトとのタッチポイント(接点)のこと。ユーザーがアプリやWEBサイトといったプロダクトを快適に使用できるよう、設計することをUIデザインと呼びます。
具体的に言うと、ユーザーがWEBサイトで目にするデザイン・フォント・イラスト・画像・色・余白・レイアウト、実際に操作するボタン・入力欄といったものはすべてUI。これらが分かりやすいよう配置されており、必要な情報までユーザーが迷わずたどり着けるよう、導線などを設計するのがUIデザインです。
快適さを演出するためには見た目も重要ですが、どれだけUIに最適化したデザインを作れるかが腕の見せどころ。ユーザーのニーズに応え、伝えるべき情報をきちんと伝え、さらにコミュニケーションの促進にもつながっていく、そんなUIデザインが求められています。
UIデザインにおいて、何よりも大切なのはターゲットを決めておくこと。UIとはユーザーとプロダクトの接点を指すため、ターゲットが明確でなければよいデザインは望めません。
ユーザーに伝えたいことは何かを考えることも重要です。ユーザーニーズをリサーチし、自社が提供できる製品・サービスとの連携なども考慮しつつ、どのような価値を提供するべきかを決めていきましょう。
そして、実際にUIデザインを設計する際に大切なのが「ユーザーに考えさせない(Don’t make me think)」ことです。これは、マサチューセッツのチェスナットヒルを中心に活動するUXやIA(Information Architect:情報設計)のプロフェッショナルであるスティーブ・クリュッグの言葉で、ユーザーが「考えなくてもいい、迷うことがない」状態を指します。
たとえば、バナーをクリックしたら何が起こるのか、欲しい情報はどこにあるのか、この言葉やアイコンはどういう意味なのか、ということが直感的に判断できることです。とにかくユーザーに疑問を抱かせない、それがWEBのUIデザインにおいて非常に重要な要素となるのです。
「ユーザーに考えさせない」UIデザインを設計するために、必要となる基本的なポイントとはどのようなものでしょうか?ここでは、UIデザインの基本原則を記したロビン・ウィリアムズの著書、「ノンデザイナーズ・デザインブック」に掲載されている4つのポイントをご紹介します。
1. 近接 | 近接とは、関連性の高い情報を近くに、関連性の低い情報は離して配置すること。 関連性の高い情報をグループ化することにより、ユーザーはひと目で関連性を把握できるようになり、内容をより理解しやすくなります。 |
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2. 整列 | 整列とは、整理した情報をルールに則ってレイアウトすること。 たとえば、文章で要素を伝えようとすると混乱を招く恐れがあるため、簡潔で分かりやすい箇条書きにするなどです。 |
3. 対比 | 対比とは、情報に強弱をつけること。 大事なワードのフォントや太さを変える、サイズや色を変えるといった取り組みです。 |
4. 反復 | 反復とは、類似した情報を繰り返して使用すること。 反復があることで独特のリズムが生まれ、情報を読み取りやすくなります。 |
優れたUIデザインを実現させるためには、「ユーザー目線で考えること」が第一です。制作側にとっては当たり前のことでも、ユーザーにとっては当たり前でないこともしばしば。なかには、ドラッグ&ドロップといった機能が分からないユーザーもいる…ということを踏まえておかなければなりません。
また、UIデザインは「直感的に使いやすいシンプルなもの」が望ましいとされています。直感的に操作できるということは、ユーザーの使いやすさに直結しますし、プロダクトや企業への信頼にもつながります。エンジニアが実装した機能であっても、使わないもの・混乱を招くようなものは思いきって消去することが重要です。
情報を正しく伝達するためのデザインに、優先度を設けることも大切です。何を優先するかを決めてテキスト・ボタンなどを配置していくことで、おのずと優れたUIデザインとなっていきます。この際に、パーツを多用しすぎないことも念頭に置いておきましょう。同じ機能を持つボタンなどを使いまわすことで、ユーザーの混乱を防ぐことができます。
上でも述べましたが、優れたUIデザインはユーザーに考えさせないことが重要。そのためには、ユーザーが抱きやすい疑問、つまずきやすいポイントを把握することが必要です。そこで用いられるのが、ユーザーテストです。
ユーザーテスト(ユーザビリティテスト)とは、WEBサイトやアプリをユーザーに利用してもらい、その行動や意見などを確認すること。提供予定のプロダクトを問題なく利用できたか、どの部分に使いづらさを感じたかなどに着目し、改善すべき課題を見出していきます。
どんなに思考を巡らせても、制作側がユーザーの視点を完全に把握するのは困難です。優れたUIデザインを設計するためにも、ユーザーテストは欠かせないものと言えるでしょう。
ユーザーが迷わず必要な情報に到達し、目的を達成するために不可欠なものがUIデザインです。もちろん、UIデザインの基本に則って自社で設計することも可能ですが、やはり専門的な知識やスキルは必要となるでしょう。
より優れたUIデザインの実現を目指すのであれば、UIUXデザインを専門とする会社に相談することをおすすめします。